NDS内臓無線LANについて 飛距離調査 ホームへ戻る
まず下の写真をどうぞ。任天堂DS・ワイヤレスLANの最大飛距離は黄色い線がある地点から今見ている場所までとどきました。
詳しい解説はこのページの下にあります。
アンテナは下の写真の部分にあります。図が間違っておりミツミ製です。
家庭用ゲーム機といえども最大8人(32人も可能だがソフトでロックされているらしい)と同時接続できる性能をもつ無線LANモジュールが内蔵されています。チップはモトローラー製。消費電力が低いチップです。帯域は2.4GHZ帯、規格は家庭用無線LANと同じIEEE802.11です。将来はボイスチャット、オンラインゲームが楽しめるようになると考えられます。
ちなみに出力電力は0.1995Wと本格的です。
実際に屋外で飛距離を調査しました。
目的
NDSの飛距離を2次元的に調査する。
調査結果に基づいて視覚的にわかりやすい図を作る。
ワイヤレス通信のレスポンス、調子をレビューする。
予想
喜虎:規格上、100メートルほどではないだろうか?(前回の実験は飛距離が出すぎていたのだろうか?)
ヒサ氏:前回の実験であれだけ出ていたのだからもっといくかもしれない。
ここで前回の実験に少し触れておこうかと思います。
去る2004年2月にGBA用のワイヤレスアダプタを使って飛距離を某所で測定しています。
ワイヤレスアダプタはポケットモンスターに同梱されています。無線で10メートル程度の相手とデーターを送受信できるものです。
そのときの実験結果ではなんと最大165メートル飛ぶということが確認できました。規格上は100メートル程度というのでとても驚きました。
後にこの件はあの「ゲームラボ(三才ブックス)」という雑誌の「ポケモンワイヤレスアダプタの特集」のなかで「160メートルも飛ぶという報告もある」というふうに取り上げられています。その記事内では確か60メートルほどしか記録が出ていませんでした。(個人的に飛ばなかったと思われる理由を挙げると、*持ち方が水平でなかった、*周りに車などの障害物が多かった、*天気が曇りだった)。
今回は前回のように測定者によって大差が出ないように細かく条件を設定しました。
用意するもの
NDS2台、実験補助者、測定結果のメモ用紙、障害物が少ないまっすぐな場所、巻尺
ここでNDSとは任天堂DS、充電は満タン、ソフトは両方のスロットに挿してあります。
実験方法
NDSでピクトチャットを起動し、ゆっくり離れていく。ぎりぎり通信がつながるところを最大到達距離とする。
その際、本体の画面の角度は120度(開いて一回目にカチッと止まる部分)と90度にした状態二種類で実験した。
NDSの持ち方はたって自然にゲームができる姿勢とした。だいたい地上からの高さは1メートル、ただし操作部分は水平を保った。
電波の当て方は上のような持ち方でさまざまな方向から当てて実験した。
実験中は障害となるような機器の電源はすべて落とした。
他にも実際にゲームをプレイして調子をみる。
場所
今回は前回と条件をそろえるため同じ場所で実験しました。桜木町にある約300メートルのジャックスモールの遊歩道を利用しました。
当日の天気は快晴、珍しく25度を超える日でした。前日雨が降っていましたが、気圧は高くなり、湿気が少なかったので電波状況は最高だと思われます。ただひとつ問題だったのは強風が吹いていたので実験には苦労しました。
実際に実験を開始しました。実験中苦労したのはやはり風が強く、紙に結果を書くのに苦労しました。
距離は地面に埋まっている大型のブロックを元に調べています。今回も人が見えないような距離までチャットすることができました。
後、実験協力・機材提供をしてくださったヒサ氏、ならびに忙しい中、技術協力してくださった名無し氏、ありがとうございました。
特にヒサ氏は風の吹くなか長時間の立ちっぱなしの実験におつきあいいただきありがとうございました。
いろいろな角度から実験をしたので終了するまでにかなり時間がかかりました。
飛距離測定・データー編
データを整理しました。測定方法2種類それぞれの結果がまとめてあります。
任天堂DS・飛距離と本体角度の関係 | ||||||||
本体の角度 | 120゜ | 120゜ | 120゜ | 120゜ | 90゜ | 90゜ | 90゜ | 90゜ |
測定する位置 | ||||||||
飛距離 |
146m | 132m | 56m | 33m | 148m | 134m | 125m | 59m |
GBASP・ワイヤレスアダプタ での飛距離(90゜のみ) |
||||
飛距離 | 161m | 107m | 37m | 5m |
これだけではよくわからないので結果をまとめてみました。
考察
まず縮尺を決めました。この図は真上から見た図です。
実験者は真ん中に立っているとします。自分の顔が上、背中側が下となります。
以後この図を使って進めてみます。
DSの画面を120度の傾けた場合の到達距離
こんな感じになりました。最大は146メートル出ていますが後ろ側の飛距離が伸びませんでした。
DSの画面を90度に傾けた場合の飛距離
画面の角度でかなり差が出ました。後ろ側も134メートルもカバーしています(驚)。
GBASPにポケモンワイヤレスアダプターを装着した場合。(画面の角度90度)
参考結果として載せました
飛距離は161メートルと最高ですが後ろが・・・。
総合結果
やはりGBA専用ポケモンワイヤレスアダプタより後ろの感度が改善されています。
やはりイベント時にはNDSの画面を90度にするとよい感度が得られるようです。
これだけ届けばイベント時はとても楽しく遊べそうです。
電波強度も従来よりも上昇しているため混信も改善されている可能性もあります。
試験中はピクトチャットを使用しながら測定しました。
接続が切れる手前までポケモンワイヤレスアダプタとは違ってレスポンスの低下などは見られませんでした。
また接続が切れても従来のように電源を入れなおす必要もなくなりました。復帰も再起動せずスムースにすることができました。
実験2 他のゲームでのワイヤレス通信の調子をみる。
今回はマリオDSの4人対戦を試してみました。1カートリッジプレイでは相手の本体にデータを送る必要があります。
時間はだいたい30秒程度で転送が完了しました。ですが、ロードバーなどがないので少々不安になりました。
レスポンスも良好で楽しく遊ぶことができました。ただし、バッテリーを通常より消耗するので注意が必要です。
転送中はこんな感じの画面になります。転送しているときも画面が少しずつ動いているのでわかりやすいです。
通信が切れてしまうと基本的には再起動しなければならないようです。(ソフト・人数によって違う。)
おまけ・DSの液晶について
この画像はGBASPのものです。かなり白みがかっています。NDSはこれよりも汚く写真に写りますが液晶の構造の問題で実際はとてもきれいに見えます。光量は十分で明るさのむらもほとんどありません。
どうも最近写真だけでPSPの液晶と比較する方が多いので・・・
実験に協力いただいたヒサ様
ありがとうございました。
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