疾走するファイバー展 ←お勧め
この展示ではファイバーを利用した製品やその技術が展示されています。
その中で特に気になったものを抜き出しました。
会場内の様子
会場内は漁網用の繊維450KMが幻想的に飾られています。ライトアップがされておりとても綺麗です。
歴代のオリンピック用水着
オリンピックということでこれが一番最初に展示されていました。アテネオリンピックに使われるモデルももうおいてありました。写真一番手前の黒い水着は東京オリンピックのものだそうです。
ケナフでできた板とそれを利用して作った車のボディ
ケナフというアオイ科の一年草は紙にしたり頑丈な板を作ることができます。木を切る必要がなく、二酸化炭素などを分解する力が強いので最近注目されています。手に持っている板はかなり頑丈です。それを利用したものが後ろの車です。
人工腎臓など
繊維は人工臓器にも使われています。主に人工透析で使われる中空糸膜です。
写真で見えている繊維状のものが中空糸膜です。断面図のためバラけていますが実際はまっすぐです。この中を血液が流れます。細さは0.2ナノメートル(1ナノメートルは千分の1ミリ)です。まわりに老廃物を取りやすい液体を流すと管のミクロの穴を通って老廃物が出てきます。いままで中空糸膜は糸の周りに液が流れると思っていたので驚きました。
繊維の断面・製造工程の違い
写真はある繊維を断面にしたものです。かなり複雑な形をしています。これはいろいろなノズルを使ったり束ねたりして作っているものだそうです。さまざまな性質を持ちます。
これは複合繊維の写真で径10ナノメートルしかないというものです。みな材料が違うのはすごい技術です。真ん中の繊維はめがね拭きに使われるそうです。
光ファイバー
写真は海底専用の光ファイバー専用線です。実際に日本=米国間でインターネット用として使われているものだそうです。透明で非常に細く見えているのが光ファイバーです。これは石英ガラスでできたものです。プラスチック製は曲げやすいのですが減衰率が激しくあまり使われません。
あまりにコストがかかる場合既存の電線(写真中ほど)のまわりに光ファイバーをまきつける場合もあります。一度海底から引き上げる必要があり大変だそうです。まわりのシャーペンの芯のように出ているのが光ファイバーです。
これは光ファイバーの母材です。これを溶かして伸ばして細いものを作ります。写真の真ん中の筋は屈折率が高い部分です。この中を光が反射して伝わっていきます。
他にも実際に情報を流しての光ファイバーの実験などの展示もありました。興味深い内容でした。
F1のボディーへの利用
本物のF1です。ボディにはFRPという強化繊維が使われています。
終わりに
この展示会はかなり行く価値があるのではないかと思います。もちろんこれだけがすべてではありません。スポーツ内容も多いです(カール・ルイス選手の靴の展示など)。繊維がこんなにも利用されているとは知りませんでした。特に繊維の断面による体感温度の違いなどには驚きました。また説明を担当している院生もとてもわかりやすくてためになります。←東工大大学院生
某ゲームの展示会よりこちらが断然お勧めです。つづきは会場でどうぞ。
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