資料室 

ここには某所でこの内容を発表したときに使ったOHP・文書などを置いてあります。

実際に使ったOHP(スライドのようなもの) 
図の重さが半端でないのでブロードバンド以外の人は少し待ってください。

@ からIまであります。説明用の図なので下のほうにある文書とあわせて見てください。
長いので大変かと思います。より詳しく知りたい人はどうぞ。











以上です。下の文書とあわせて読むと面白いです。

文章 

ここからです。間違いありますがご了承ください。実際にこんな内容をしゃべりました。
結構大変です。

実際にやった事

パソコンで行うクロックアップ、つまりコンピューターの速度を定格外に上昇させる技術を用いてゲームボーイアドバンス(以下GBAと呼ぶ)を高速化してみました。実際にGBAを分解し中に水晶を取り付けて実験しました。そして最終的にはスイッチと水晶発信機を全てGBA内に内蔵し0.5倍、1倍、2倍という三つの速度を切り替えることができるようになりました。この方法をつかっている人がいるかどうかインターネットで調べたところいませんでした。しかしそれを実現するのにはさまざまな試行錯誤をし、失敗しました。

きっかけは「ゲームラボ」という雑誌に水晶発振子を交換すると速度が変わるという記事でした。すぐにゲームボーイを分解して、もともとついている水晶を取り外し手元にあった壊れた95年製FM−V DESKPOWERのISAバスに刺さっていたサウンドブラスターカードの上に取り付けられている水晶を取り外して使いました。結果は見事成功し速度が上がったのですが中に組み込むときなぜかあまりうまくいかず速度が遅くなったり起動できなかったりと不安定な事がありました。雑誌では既存の水晶の端子に細線とスイッチを配線し、そこに水晶を取り付ける方法だったのですが僕は不安定さが出たので直付けしました。しかしこの方法では速度が切り替えられないのでスイッチをつけてみました。両方の足にスイッチをつけて切り替えられるようにしました。スイッチが大型化したので本体から配線し外付け型にしました。この方法はうまくいったのですが水晶を半田付けしてある部分がもろくちょっとした衝撃で崩れてしまいうまくいきませんでした。ならばと半田付けを水晶発信機にしなくてすむ水晶ソケットを外部につけてみました。6こ水晶が刺せるタイプだったので予備のものも刺して置けました。衝撃で外れやすいスイッチを廃止し、ジャンパースイッチのように水晶を差し替えることで速度を可変しました。このときに三段階(2倍速 1倍速 0.5倍速)ができるようになりました。しかし外側なので邪魔でほかのものに引っかかって大変、切り替えるのがいちいち面倒で見た目が悪く友達の中で操作が複雑との意見があったので次のものを製作してみようと思いました。今度は完全内蔵型を開発しました。GBAの裏側にあるグリップのスペースに穴をあけスイッチを二つ取り付けました。ふと部品を取り出したFM−Vを見るとなんと水晶のボディーがアースされていました。これをヒントに水晶発信機のボディーに半田付けして線を基板のアースの部分に落としたらとても安定性があがりました。この事でア-スの大切さが分かりました。

ゲームボーイの仕組み

ゲームボーイアドバンスはもともとゲーム機として開発されました。従来のGB GBCソフトと最新型のGBA専用ソフトまで14年間ずっと売られていたソフト全てに互換性があります。低電圧・低電流消費をテーマに作っているためにCPUの速度は16.78MHzと遅めです。そのためバッテリーが単三電池二本で15時間も持ちます。電池が消耗してくるとインジケーターが緑から赤に変わるという機能があります。内部には二色はっこうLEDが入っているわけではなく独立したチップLEDがついています。交換すれば色がえも可能です。読み込み時間はテレビゲーム機のようにDVDやCDでなくROMなのでほとんど待ち時間はありません。さらにテレビ電話、動画再生、通信などという事にも標準で対応しているバランスのポータブルコンピュータです。

今販売されているアドバンスには二種類あり初期型と後期方があります。後期方では液晶のピン数が増えさらに明るく鮮やかに表示できます。パッケージを見ただけでは分かりません。はじめのころに出た限定色のアドバンスなどは全て初期型です。またGBASPという折畳式のアドバンスがありますが基本構造は同じです。電源周りがリチウムイオン電池になったことで充電器も内蔵しています。画面が光るようになっているのは透明なELが液晶表面に張ってあるからです。ほかにもゲームボーイプレーヤという物でゲームキューブにはめ込んで使うものがありますが中にはCPUとメモリのみがあります。本体でエミュレートしているわけではなくCPUで再生した信号を変換してテレビ画面に移しているだけです。あれで5000円もするのは基地外だと思います。

CPUにはGBAソフト用にはARM社の7TDMIを使っています。周波数は16.78MHzで世界最小クラスの低電圧で動きます。ただし周波数が低いので3Dは扱うのが難しいようです。2Dならカクカクすることなしで動きます。その他にZ80というCPUが古いタイプのソフトを動かすために内蔵されています。デュアルCPUになっていますが電池の消費が激しくなるためソフトによってCPUを切り替えます。切り替えはGBA側のカートリッジコネクターにスイッチがついていてカートリッジの形状でどちらか判断しています。

またメモリーはCPU内に内蔵されています。32KbのWindow random-access memoryというグラフィック描写にて適する機能追加したメモリと256KbのVIDEO RAMというグラフィックの書き込みとディスプレイ表示が同時にできるメモリを内蔵しています。あとほかにもバイオス専用のメモリなどがありますが全てCPUと同じチップの上にあります。

さらに通信ポートからのデーターのダウンロードにも対応しています。CPUとは別に256KbのWRAMがありここにカートリッジ一つで四人でつないで遊ぶときに持っている人からデーターをコピーしてもらうときに使います。通常時の処理には一切使われません。カートリッジが無くてもこの中にデーターがあれば普通に使う事ができます。

カートリッジは通常二つのチップが使われています。ソフトを入れておくROM(リード オンリー メモリー)とRAM(ランダム アクセス メモリー)をつんでいます。ROMはソフトを格納しておき必要時に取り出せるようになっています。GBAでは512Kbまで認識できるようになっています。現在販売されているソフトの大半は64Kbが中心で128Kbなどはまれです。そして作業した内容RAMの中にあるセーブブロックに保存されます。通常セーブブロックは64Kbですが例外もあり128Kbでバックアップ機能を持っているものもあります。さらに一部のソフトでは電源が入っていないときも時計が動くように時計用水晶発信機とRTCというコントロール回路を内蔵しているものもあります。この回路を動かすためにボタン電池も内臓しています。ただし従来のソフトのようにメモリの保持には使われていないので交換してもデーターは消えません。

GBAの注目すべき点では通信ポートがついているという事です。ピンアサインはそこの図をみれ!シリアル通信で転送速度は115200bpsあります。他のゲームボーイとつなぐには真中に分岐アダプタのついたシリアルケーブルを使います。分岐アダプタには青のコネクタだけを刺す事ができ最大四台のアドバンスをつないで同時に通信する事ができます。この時ゲームによっては一人しかゲームを持っていなくても持っている人がサーバーとなってクライアントにデーターをGBA内の256Kbのメモリに送れば四人で対戦する事ができます。コネクターは方向があり、青をマスター 灰色をスレーブとして認識しています。六ピンありますが通信に使われるのはそのうちピンだけです。残りは周辺機器に電力を伝えるのと通信インジケーターと思われるものがあります。通信インジケーターと思われるピンについてはまだ誰も何も言ってないのですが僕がピンの位置関係を調べていたときに偶然見つけました。ここに3VのLEDをつけると通信信号が出ている時にだけ発光します。

GBAの画面はインチのTFT液晶(thin film transistor liquid crysta)が使われています。これはアクティブマトリックス方式の液晶で画素一つ一つを薄膜トランジスターで制御しています。今までゲームボーイシリーズのようにLCD(liquid crystal display)では無いので応答速度が速く残像もなく快適です。画面はシャープのもので画素には赤 緑 青 の色のフィルターがかけてあります。後期方のほうがピン数が多く色が鮮やかです。

ボディーはGBA特有の形をしています。プラスチックなのでアースは取れませんがカートリッジを差し込む部分の裏側に金属板がありここに基板のアースが落としてあります。



ア-ス

僕が三段変速に成功した要因にアースをした事があります。アースはコンピュータみたいに高周波を扱うものでは安定性を上げるのに必要です。基板上のアースは別名グランドと呼ばれ安定性を上げるために面積を広くしてあります。特にゲームボーイの中のようにCPUやメモリのようなノイズの発生源の多いところでは信号線に他の波が入り込んでしまい結果、誤作動がおきます。そういう周りを全てアースする事が必要です。

僕がヒントを得た95年製FM−V DESKPOWERのISAバスに刺さっていたサウンドブラスターカードは水晶のケース部分がちゃんと下一面にアースされていました。また近くにノイズの発生源となるものをおかないように設計してありました。水晶発信機は安定した波を出すのにアースが必要です。特にベースクロックを作るような用途ではなおさらです。ケースをアースをすると静電遮蔽という効果が働き、内部に関係の無い波が進入しなくなります。GBAの場合CPUを高クロック化させるとノイズが増えるのが音で分かります。そのノイズを水晶発信機の外装をアースしていないと内部に影響を与えてしまうようです。やはり通常の速度で動かすように設計されているようです。



なぜゲームボーイはクロックアップできるのか?

GBAのCPUは若干余裕があるのでクロックを上げると全体が高速化されるようです。ベースクロックは4.1914MHzですがCPU内部とメモリは16.27MHzで動いています。これを約10倍の39MHzの水晶にしてみるとCPUの処理速度は32MHzぐらいになるので二倍の速度になります。

CPUとメモリーその他はクロックと呼ばれる一定のパルス信号のリズムに基づいて順番に仕事をこなします。このパルス信号を作るのがクロックジェネレータ、つまり水晶発信機です。CPUやメモリは設計するときにある程度余裕を持って作られます。だからパルス信号のリズムを高くすると全体が早く仕事をするので処理を高速化できます。

 通常クロックアップは電圧を変えたり放熱装置をつけるなど難しく、場合によっては機器を壊す恐れがあります。しかしGBAではCPUが遅く発熱もないのでかんたんにクロックアップができます。ただし高周波になればなるほどノイズの影響を受けやすくなるのでアースするなどの工夫が必要です。

水晶発振子・回路

この事で興味を持ったので今回クロックアップに使用した水晶発信子についても調べてみました。水晶発信機の中の構造は水晶の薄片とそれを固定する電極とカバーからなっています。とてもシンプルなつくりですがこれを作るには高度な技術が使われています。

水晶とは?

水晶は二酸化ケイ素(Sio2)を主成分としておりケイ素と酸素の共有結晶です。水晶別名石英とよびますが特に六角柱に成長したものをすいしょうとよびます。水晶の主成分のケイ素はケイ酸塩として地殻中に多くあります。これはは球上に埋まっているものの中で二番目におおい物質です。一番多い酸素はさびた金属などにくっついた状態で埋まっています。ケイ素は融点が1410度です。天然の二酸化珪素にコークスを入れて加熱して珪素にしたものを精製したものは半導体という性質をあらわします。シリコンウエハーとして使われたり太陽電池に使われます。二酸化ケイ素にも使い道がありおもに通信用のひかりふはいばーや胃カメラ、ガラス製品に使われます。



一番一般的な用途は腕時計の基礎信号を作るのに多くつかわれます。主流のクオーツ時計のことです。この場合の誤差は体温の変化のせいで月±10秒くらいです。コンピューターのベースクロック作りにも使われています。全体の処理のリズムを作るのにもつかわれています。 



歴史

1880年フランスの物理学者ジャック・キューリーとピエール・キューリー(夫人マリー・キューリーはラジウムの発見者)の兄弟が、六角柱の水晶結晶に圧電気現象(ピエゾ効果)がある事を発見しました。水晶を薄く切って圧力をかけると電圧が生じます。これを圧電気現象と呼びます。逆に水晶の両端に電圧をかけると水晶がほんの少しひずみます。この事を逆圧電気現象といいます。さらにジャック・キューリーとピエール・キューリーは実験を重ねていくうちに六角柱の稜線に対して、特定の角度をつけて切断すると安定した圧電気現象を示す事がわかりました。この切り方をキュリー・カットと呼びます。

日本では水晶発信機のことが第二次世界大戦のころから研究されており、特に戦後に行われた研究のうち19★★年に日本の考古学博士古賀逸策先生(東工大教授)によって発見されたATカットが現在世界中で使われています。ATカットの特色としては薄くできるので高周波数化するコンピュータや携帯電話のニーズに適しています。



水晶発信機の原理

水晶発信子に交流電圧を流すと内部の水晶薄板が目に見えない状態で交流電圧が増幅され共振します。この時水晶の厚さによって共振する周波数が違います。

それを動かす駆動回路のなかでもっとも基本的なのはコルピッツ回路と呼びます。これは水晶をずっと振動させるためのものです。一回だけ振動しただけではその後指数関数的にどんどん信号が減衰していってしまいます。そのため帰還増幅器という方法で持続的に動作させます。この回路を応用して現在の機会が作られています。このような性質を示す鉱物はセラミックやチタン三バリウムなどもありますが安定な結晶で損失の少ない水晶には負けます。



今水晶はとても高度な技術で作られています。そしてそこには努力の末生み出された特許の数々があります。では実際にそれを見ていきましょう。



水晶発振子に使う水晶は今は人工水晶を使います。昔は天然の水晶を使っていました。しかし不純物が混ざって色つき水晶になっていたりひびがはいっていたりして特性のばらつきがあります。さらに水晶一つ一つが違うので光を通して選別するのにたくさんのコストがかかっていました。そのように電子部品として使うには不便な点が多かったので均質で特性がそろう人工水晶にとって変わりました。人工水晶は水熱合成法という方法で作ります。特殊鋼でできた筒を加熱してその中で水晶を成長させます。このとき容器を特殊鋼にしないと水晶の中に不純物が混ざりこんでしまい失敗してしまいます。また加熱する温度や時間によっても特性が変わるのでかなり難しくめーカーそれぞれにノウハウがあります。通常中を1000気圧に保ち350度にした状態を30日から90日かけて天然の種水晶を大きくしていきます。



次に出来上がった水晶をカットします。まずX線で水晶を回折させて角度を調べます。カットには カットする部分によって特性が変わります。しかしここで薄くカットしても切断面が荒れているので兵站にする必要が足ます。水晶の板が共振するということは板の上に少しでも出っ張りがあったりすると出てくる周波数が変わってしまいます。この原理を利用して何の分子かを調べる装置があります。



 切断面を滑らかにするにはいくつかの方法があります。一つに研磨剤を使う方法画あります。特に高周波を扱うものでは平坦である必要があります。測定しながら布に細かい研磨剤をつけて磨くと最終的には0.06ナノメートルまで荒さが減ります。

エッチング液を使う方法もあります。ただしたくさんのものを管理するのは難しいうえ、横が削れてしまうという欠点があります。

鑢を使い表面に細かい傷を入れ削り取っていくという方法もあります。

いずれの方式も長年培われてきた技術で一長一短があります。メーカーによってノウハウが存在しています.



その次に水晶に電極を取り付けます。たいてい電動効率のいい金が導電性の接着剤に四手取り付けられます。この接着剤は特殊なものでケースの中に入れたときにガスが出たり劣化しないものが使われます。コンピューターの中で使われる事を考慮して熱に強いことも必要です。これに関してもたくさんの特許があります。

最後にケースの中の電極に水晶を固定します。最近はセラミックパッケージの者が増えていますがここでは金属パッケージとします。電極に固定するときに使う金具はイタバネのようなものでこれで振動を吸収します。実際 水晶が振動するのでこういった工夫が必要です。さらに水晶の板を薄く切れば切るほど割れやすくなるので耐衝撃性を高める必要があります。

そして仕上げにカバーを取り付けます。このカバーは通常金属でできておりがイブの部室が水晶片について特性が変わるのを防いでいます。中は真空になっています。ほかにもセラミックパッケージのものなどがありますが、いずれにしろ水分や気体分子が入らないことが条件です。



未来の展望

今の水晶はあまり高周波数化できないという欠点があります。それは水晶版を薄く削る必要があって割れやすくなります。またさらに小型化する必要があります。さらにこれからは情報化社会に突入するのでもっと安くでたくさん作ることが必要です。安定性をさらに上げる必要もあります。衝撃に弱いのでは困る弟子う。さらに精度を上げることも要求されています。



またこのような性質をもちいてブシツがあるかどうかセンサーとしてつかったりする事もできるようです。音さ方水晶をつかってアクチュエーターを作ろうという計画もあります。

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