水晶発振子・回路について

この事で興味を持ったので今回クロックアップに使用した水晶発信子についても調べてみました。水晶発信機の中の構造は水晶の薄片とそれを固定する電極とカバーからなっています。とてもシンプルなつくりですがこれを作るには高度な技術が使われています。

水晶とは?


水晶は二酸化ケイ素(Sio2)を主成分としておりケイ素と酸素の共有結晶です。水晶別名石英とよびますが特に六角柱に成長したものをすいしょうとよびます。水晶の主成分のケイ素はケイ酸塩として地殻中に多くあります。これはは球上に埋まっているものの中で二番目におおい物質です。一番多い酸素はさびた金属などにくっついた状態で埋まっています。ケイ素は融点が1410度です。天然の二酸化珪素にコークスを入れて加熱して珪素にしたものを精製したものは半導体という性質をあらわします。シリコンウエハーとして使われたり太陽電池に使われます。二酸化ケイ素にも使い道がありおもに通信用の光ファイバや胃カメラ、ガラス製品に使われます。一番一般的な用途は腕時計の基礎信号を作るのに多くつかわれます。主流のクオーツ時計のことです。この場合の誤差は体温の変化のせいで月±10秒くらいです。コンピューターのベースクロック作りにも使われています。全体の処理のリズムを作るのにもつかわれています。 



歴史

1880年フランスの物理学者ジャック・キューリーとピエール・キューリー(夫人マリー・キューリーはラジウムの発見者)の兄弟が、六角柱の水晶結晶に圧電気現象(ピエゾ効果)がある事を発見しました。水晶を薄く切って圧力をかけると電圧が生じます。これを圧電気現象と呼びます。逆に水晶の両端に電圧をかけると水晶がほんの少しひずみます。この事を逆圧電気現象といいます。さらにジャック・キューリーとピエール・キューリーは実験を重ねていくうちに六角柱の稜線に対して、特定の角度をつけて切断すると安定した圧電気現象を示す事がわかりました。この切り方をキュリー・カットと呼びます。

日本では水晶発信機のことが第二次世界大戦のころから研究されており、特に戦後に行われた研究のうち1950?年近辺に日本の考古学博士古賀逸策先生(東工大教授)によって発見されたATカットが現在世界中で使われています。ATカットの特色としては薄くできるので高周波数化するコンピュータや携帯電話のニーズに適しています。

水晶発信機の原理

水晶発信子に交流電圧を流すと内部の水晶薄板が目に見えない状態で交流電圧が増幅され共振します。この時水晶の厚さによって共振する周波数が違います。
それを動かす駆動回路のなかでもっとも基本的なのはコルピッツ回路と呼びます。これは水晶をずっと振動させるためのものです。一回だけ振動しただけではその後指数関数的にどんどん信号が減衰していってしまいます。そのため帰還増幅器という方法で持続的に動作させます。この回路を応用して現在の機械が作られています。このような性質を示す鉱物はセラミックやチタン三バリウムなどもありますが安定な結晶で損失の少ない水晶には負けます。

こんな感じですね。

製造工程を見る。
今水晶はとても高度な技術で作られています。そしてそこには努力の末生み出された特許の数々があります。では実際にそれを見ていきましょう。

水晶発振子に使う水晶は今は人工水晶を使います。昔は天然の水晶を使っていました。しかし不純物が混ざって色つき水晶になっていたりひびがはいっていたりして特性のばらつきがあります。さらに水晶一つ一つが違うので光を通して選別するのにたくさんのコストがかかっていました。そのように電子部品として使うには不便な点が多かったので均質で特性がそろう人工水晶にとって変わりました。人工水晶は水熱合成法という方法で作ります。特殊鋼でできた筒を加熱してその中で水晶を成長させます。このとき容器を特殊鋼にしないと水晶の中に不純物が混ざりこんでしまい失敗してしまいます。また加熱する温度や時間によっても特性が変わるのでかなり難しくメーカーそれぞれにノウハウがあります。通常中を1000気圧に保ち350度にした状態を30日から90日かけて天然の種水晶を大きくしていきます。

次に出来上がった水晶をカットします。まずX線で水晶を回折させて角度を調べます。カットには カットする部分によって特性が変わります。しかしここで薄くカットしても切断面が荒れているので兵站にする必要が足ます。水晶の板が共振するということは板の上に少しでも出っ張りがあったりすると出てくる周波数が変わってしまいます。この原理を利用して何の分子かを調べる装置があります。

切断面を滑らかにするにはいくつかの方法があります。一つに研磨剤を使う方法画あります。

特に高周波を扱うものでは平坦である必要があります。測定しながら布に細かい研磨剤をつけて磨くと最終的には0.06ナノメートルまで荒さが減ります。

エッチング液を使う方法もあります。ただしたくさんのものを管理するのは難しいうえ、横が削れてしまうという欠点があります。鑢を使い表面に細かい傷を入れ削り取っていくという方法もあります。
いずれの方式も長年培われてきた技術で一長一短があります。メーカーによってノウハウが存在しています.

その次に水晶に電極を取り付けます。たいてい電動効率のいい金が導電性の接着剤に四手取り付けられます。この接着剤は特殊なものでケースの中に入れたときにガスが出たり劣化しないものが使われます。コンピューターの中で使われる事を考慮して熱に強いことも必要です。これに関してもたくさんの特許があります。

最後にケースの中の電極に水晶を固定します。最近はセラミックパッケージの者が増えていますがここでは金属パッケージとします。電極に固定するときに使う金具はイタバネのようなものでこれで振動を吸収します。実際 水晶が振動するのでこういった工夫が必要です。さらに水晶の板を薄く切れば切るほど割れやすくなるので耐衝撃性を高める必要があります。

そして仕上げにカバーを取り付けます。このカバーは通常金属でできておりがイブの部室が水晶片について特性が変わるのを防いでいます。中は真空になっています。ほかにもセラミックパッケージのものなどがありますが、いずれにしろ水分や気体分子が入らないことが条件です。

解説用の図はこちら レイアウトが悪い...

図を見たほうがわかりやすいですね。

未来の展望

今の水晶はあまり高周波数化できないという欠点があります。それは水晶版を薄く削る必要があって割れやすくなります。またさらに小型化する必要があります。さらにこれからは情報化社会に突入するのでもっと安くでたくさん作ることが必要です。安定性をさらに上げる必要もあります。衝撃に弱いのでは困ります。さらに精度を上げることも要求されています。

またこのような性質をもちいて物質があるかどうかセンサーとしてつかったりする事もできるようです。音さ方水晶をつかってアクチュエーターを作ろうという計画もあります。

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